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7/19/2008

ビーチ・ボーイズが1969年にCapitolから発売した最後のオリジナル・アルバムがこれで、タイトルはベスト盤3枚を含めるとこのアルバムが ちょうど20枚目であったことに因んだものらしい。 実はこのアルバムを語る上で大きなふたつのエピソードがあるのである。 そのひとつは印税をめぐるキャピトルとの訴訟事件。 このアルバムの発売直後、ビーチ・ボーイズキャピトルとの間に裁判沙汰の事件が起こった。 1967年以降のグループ側が受け取るはずの印税とブライアンのプロデューサーとしての報酬が未払いだと、グループがキャピトル側を訴えた。 ビーチ・ボーイズ側はこの訴訟に勝ち、グループの活動の自由と(アルバム制作に対するノルマがなくなった)'65年のアルバム「BEACH BOYS' PARTY」以降の 楽曲の配給権とBrotherレーベルを自由に出来る権利を得た。 ところがこれに対してキャピトル側は姑息な手段で反撃してきた。信じられないことに、ビーチ・ボーイズが過去に出した全アルバムを 廃盤にするという暴挙に及んだのである。 これによって過去の作品の印税が全くビーチ・ボーイズ側には発生しないというワケである。 編集盤を除くと、おかげでこのあと'80年代に入るまでビーチ・ボーイズのオリジナル・アルバムがアメリカ本国で再発されることは一度もなかった。 日本やイギリスなどでは'74年の編集盤「ENDLESS SUMMER」の全米No.1ヒットの後、次第にビーチ・ボーイズ再評価の気運が高まっていたのを受けて '70年代後半にはオリジナル・アルバムが再発されるが、US盤に関しては廃盤のままのためほとんどが入手困難で、この時代中古市場ではバカ高いプレミア付きでなければ 入手出来なかったもんだった。 そしてこの事件の翌年の'70年、ビーチ・ボーイズリプリーズと新たな契約を結び、ついにキャピトルを離れることとなったのだった。 もうひとつのエピソードはデニスチャールズ・マンソンとの関係にまつわるものである。 このアルバムには問題作が収録されている。デニスが歌う「Never Learn Not To Love」はこの後にあのシャロン・テイト殺人事件(知らない人はググってね) を起こす犯人であるチャールズ・マンソンが書いた「She's Too Exsist」という曲の改作だったのである。 この曲の歌詞をデニスがマンソンの許可なく勝手に書き換え、曲のクレジットにも自分の名前がなかったことに腹を立てたマンソンはデニスに報復を図ったが、 その前にマンソンは事件を起こして逮捕されたたために事なきを得ている。 事件を起こす前のマンソンは仲間数人と怪しい集団行動を取るミュージシャン志望の若者だったが、なぜかデニスはマンソンの才能を買っていたらしく、 ある程度のサポートもしていたようだ。しかしブライアンは弟がこんな得体の知れない人物と付き合うことに反対していたという。 この事件後、デニスは評判を落とすこととなった。しかしこのアルバムではデニスは全部で3曲を提供し、音楽的な成長振りを見せている。 で、話はやっとアルバムに戻って、この「20/20」ブライアンの不在状況は相変わらずだったため、メンバーそれぞれが自己プロデュースした曲を持ち寄った内容となっている。 そのせいでやや散漫な印象は否めないところがあるが、しかしこのアルバムにはいくつかの屈指の名曲も入っているのである。 やはり一番光っている曲はシングル曲でもあったこのアルバムの冒頭を飾る「Do It Again」ブライアンマイク・ラヴが もう一度サーフィンをモチーフにして作り、タイトルどおり久々のトップ20に入るスマッシュ・ヒットとなった。まさに名曲である! 続く2曲目の「I Can Hear Music」はあのロネッツのカヴァー曲でカールのヴォーカルも見事だ。これも名曲。この曲もシングル・カットされ、 24位まで登るヒットとなっている。 3曲目の「Bluebird Over The Mountain」アーセル・ヒッキーという人のカヴァーだが、これもキャピトル時代後期の名曲。 この名曲が3連チャンで並んでいるこのアルバムのA面の出だしは素晴らしい。 その他、トラディショナル・ソングの「Cotton Fields」のアルバム・ヴァ−ジョンも収録されているが、これもなかなかいいカヴァーだ。翌年4月になってからこの曲は キャピトルからの最後のシングルとしてリリースされるが、これはアルバムとは全くの別ヴァ−ジョン。 そしてこのアルバムにも未発表に終わった「SMILE」から「Our Prayer」「Cabinessence」の2曲が収録されており、アルバムの締めにこの2曲を持ってきている。 と、若干地味でとっ散らかった印象がある反面、いろいろ聴きどころも多いアルバムである。
【 UK盤 】
UK EMI / Capitol E-ST133 stereo 02/1969 私はこのアルバムはUK盤しか持っておらず、USオリジナル盤は未所有。US盤はなぜかあまり見かけず、たまにあってもボロボロのものが多いです。 UK盤ならではのラミ・コーティングで、Ernest J.Day & Co. Ltd製。 この時期ブライアンの隠居生活はますます度を深めているが、ジャケにはとうとうブライアンがいなくなっている。
ゲイトフォールド・ジャケで、縦にするとジャケには写っていなかったブライアンが視力検査用の紙を持っている写真が。 隣の写真はジャケの下の方にあるEMI / Capitolの表記の部分を拡大したもの。
スリーヴはグレーのインクで印刷されたEMIのアド・スリーヴ。 私はこのタイプのスリーヴはこのアルバムで初めて見た。
レーベルはCapitolだが、ご覧のようなデザインの1 EMI Markレーベル。 オリジナル初回はレインボー・キャピトルなのでこれはセカンド・プレスだが、Parlophoneの1 EMIが少ないのと同様に このレーベルの方が見かけることが少ない。 音質はUK盤らしい太い音でなかなかいいです。 【 紙ジャケCD 】
'98年7月に初紙ジャケ化されたときのもの。マスターは'90年のリマスター音源が使われている。 ジャケの出来は悪くないです。
ゲイトフォールドも中実で、US盤にある"RIAA"のマークがジャケの中程にある。 レーベルはレインボー・キャピトル。 【 US 盤CD 】

'90年に「FRIENDS」との2 in 1で出たCD。こちらのレーベルはウズマキ・キャピトル。 上の紙ジャケのマスターはこのCDと同じもの。 ボーナス・トラックが4曲収録されていて、シングルB面曲や初登場の全くの未発表曲が当時は衝撃的だった。




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