及び、その周辺のレコード


[BEATLES' DISCOGRAPHYへ]




前作「RUBBER SOUL」の出来と世論の評価に確かな自信を得たビートルズは、ツアーがない期間中にニュー・アルバムの
レコーディングに入りました。
1966年の4月から来日直前の6月中旬までのおよそ2ヶ月半もの時間をレコーディングに費やしたその内容は
「RUBBER SOUL」で掴んでいた自分たちの音楽的ヴィジョンをさらに押し進めた革新的なものでした。
この時期のビートルズはレコーディングがスリリングで楽しくてしょうがなかった頃で、メンバーが出すアイデアを
具現化するため、エンジニアのジェフ・エメリックらによって斬新なレコーディング技術も次々に開発され、
それらを駆使して、今まで誰も試みたことのないレコーディングが嬉々として進んでいきます。

テープ操作による人工ダブル・トラッキングやテープ・ループの作成、テープ・スピードを変えての録音や逆回転再録、
ヴォーカルにハモンド・オルガン用のレズリー・スピーカーを通した録音など、さまざまなアイデアやテクニックが試され、
結果として当時の技術ではライヴで再現出来ないサウンドも生み出されました。
また、このアルバムではジョージの成長が著しく、A面トップを飾るシニカルな歌詞と印象的なリフが秀逸な「Taxman」や、
本格的なインド音楽に初挑戦した「Love You Too」、ソロになってからはジョージのトレード・マークにもなるディミニッシュ・コードが
初めて使われた「I Want To Tell You」の3曲はどれもこのアルバムの革新性にひと役もふた役も買うほどのインパクトを持っています。

自分たちの表現手段としてのスタジオ・レコーディングの楽しさと重要性に気が付くと、ろくに自分たちの演奏など聴かず
キャーキャー叫ぶだけの観衆相手のコンサート・ツアーなど時間の無駄と考えるのは無理もない話です。
それ以前からすでにツアーには疲れ果てていたビートルズは、フィリピン公演でマルコス大統領に招待された晩餐会を断ったことに
端を発して起こったビートルズ排斥運動で酷い目にあい、これをきっかけにツアーからの引退を真剣に考えるようになりました。
そしてついにはこの年の8月のアメリカ公演を最後に一切のコンサート活動をやめてしまい、これ以後はレコーディング活動に
重きを置くようになっていくのでした。

【 UK オリジナルmono盤 】

レコード盤号 PMC-7009 mono 1966年8月5日発売。 ビートルズ4人の写真を細かくはめ込んだり並べたりしたコラージュと細い線によるイラストはハンブルグ時代からの ドイツ人の旧友クラウス・フォアマンの手によるもの。ジャケの右端真ん中の隅っこの方に本人の顔写真とサインがあります。 裏ジャケの写真は「Paperback Writer」のプロモ・フィルム撮影時のスナップ・ショット。 アルバム・タイトルの候補として、「ABRACADABRA」、「MAGIC CIRCLES」、「BEATLES ON SAFARI」などのタイトルが ありましたが、東京公演で彼等を護衛していた警官が持っていた拳銃から「REVOLVER」というタイトルを思いつき、7/2の東京 滞在時にイギリスのEMI本社に電報でこのタイトルに決定する旨を伝えたと言われています。 さしずめ、極めて殺傷能力が高い14発の弾丸が込められた「REVOLVER(回転式拳銃)」といったところですね。 実際のリヴォルヴァーは最高で6発しか弾が入りませんけど(笑)。 ジャケットの作りはお馴染みのコーティング・ジャケで、裏ジャケの3方が折り返しのフリップ・バックになっています。 Garrod & Lofthouse製です。
スリーブは"PATENTS APPLIED FOR"と書かれたプレーン・スリーヴ。 このアルバムの場合、このインナー・スリーブがオリジナルのスリーヴとなります。
レーベルはY&B Parlophoneで"SOLD IN UK~"のリマーク、KTのタックス・コードあり。 B面4曲目は"DR. ROBERT"表記です。 B面のみマト枝番「ー1」のファースト・プレスで、ジョージ・マーティンの気が変わり、カッティング当日になって 急遽マスターが差し換えになったため、わずか半日ほどしかプレスされなかったという「First Day Pressing」と言われるもの。 10年ほど前に「Tomorrow Never Knows」のリミックス 11が収録されている事実が発見されて一気に注目を集め、 その後次第に市場に出回るようになりました。右の写真はそのマトリクスの写真です。 これ以外にも「Taxman」、「I'm Only Sleeping」など、mono盤はマト1、通常盤ともにstereo盤とミックスが 異なる曲がけっこう多いアルバムです。 A面は枝番「-2」、マザーが「5」、スタンパーが「RM」で24番目のスタンパーから、 B面は枝番「-1」、マザーが「1」、スタンパーが「OR」で52番目のスタンパーからのプレスということになります。 稀少と言われるマト1ですが、半日しかプレスされなかったわりにスタンパーが52枚目ということは、単純に考えれば 実は意外にプレスされた枚数は多いのかも?まあ番号順にスタンパーが全て使われていたらの話ですが、未確認ながらこれ以上に 大きい数字のスタンパーがある可能性もあり、マザーが2の盤も存在します。たった半日の間にも関わらず2枚のマザーと、 そこからそれぞれ作られた50枚前後のスタンパーでプレスしている、とするならば、 単純計算で両方のスタンパーで100枚、 1枚のスタンパーから100枚プレスしたとして10,000枚、その半分としても5,000枚はプレスされている?! この仮説から推測するに、存在する枚数はいくら少なく見積もっても100枚単位以下ということはないでしょう。 しかも1枚も破棄することなく、プレスされたもの全部が市場に出たと言われてますから、実際は何枚くらい存在するんでしょうか? 【 UK 再発mono盤 】
1981年に再発されたmono盤で、ジャケットはラミネート・コーティングではなくニス塗りです。紙質もかなり薄め。 裏はフリップ・バックではなく、折り返し部分が内側になった普通の張り合わせです。 ちなみにこれもGarrod & Lofthouse製。
インナー・スリーヴとレーベル写真。 スリーヴはこの頃のEMIのレコードに使用されていたタイプで、レコードの注意事項や「レコードをギフトにいかが?」という 販促的な文章が書かれています。 レーベルはオリジナルのY &B Parlophoneが再現されましたが、"33 1/3"の右隣にオリジナルにはない"MONO"の表示があります。 マトはA面が枝番「-2」、マザーが「5」、スタンパーがアルファベットではなく直接数字で「5」、 B面は枝番「-3」、マザーが「5」、スタンパーが「5」となっています。 意外に太い音で、オリジナルに負けないくらいの迫力があります。 【 UK stereo盤 】
PCS-7009 stereo盤 1973年はじめに私が買った3枚目のUK盤でした。ジャケットの作りはコーティングで3方フリップ・バックになっているところは 同じですが、"stereo"の表示がなく、紙質が薄めで背部分の上下が絞ってあるところが違います。
'70年頃のプレスのようで、インナー・スリーヴはその頃使われていたEMIの広告スリーヴ。 これを買ったのは'73年の2月ですが、当時値段の高い輸入盤を買う人など少数だったので、恐らく売れ残りでしょう。 マトリクスはA面の枝番が「-2」、マザー番号が「1」、スタンパー番号は"G"で1番目のスタンパーから、 B面が「-2」、マザー番号が「1」、スタンパー番号は"L"で8番目のスタンパーからのプレスということになります。 レーベルは"GRAMOPHONE"リムの2 EMI マークス。 【 US mono盤 】
US Capitol T-2576 mono 1966年8月8日発売。 ジャケットはUK盤のものとトリミングの具合がわずかに異なります。 裏ジャケ真ん中のアルバム・タイトルの上にあるクレジット部分に"Prepared for release in the U.S.A. by BILL MILLER"という クレジットが追加されています。この人物についての詳細は不明ですが、恐らくデイヴ・デクスターJr.の後釜プロデューサーのようですね。 UKより3日遅れで発売されたUS盤ですが、このアルバムもUK盤と内容が異なり、「I'm Only Sleeping」、「And Your Bird Can Sing」、 「DR. Robert」が収録されておらず、これ以外の全11曲収録。 カットされたこの3曲はこのアルバムより2ヶ月ほど前に発売されている「YESTERDAY AND TODAY」に収録されています。 このmono盤はUK mono盤と同一のヴァ−ジョンで収録されています。 ジャケット裏の右下の番号は「6」。
インナー・スリーブはオリジナルではなく、プレーンなものに変えられているので省略。 レーベルはレインボー・キャピトルですが、内周にディープ・グルーヴがあり、B面のラン・オフ部分には"RCA"の刻印が あることから、どうやらRCAでの依託プレス盤のようです。 マトリクスは手書きで、A面が"T-1-2576-G-16"、B面が"T-2-2576-G-14"、その他、両面に"*"のような刻印があるので L.A.工場用のスタンパーを使ってRCAでプレスされたようです。 【 US stereo盤 】
US Capitol ST-2576 stereo。 ジャケット上部に"STEREO"の表記があります。 裏ジャケの番号は手書きで「18」と書いてあります。
インナー・スリーブはプレーン・インナーですが、 レーベルが'69年から'70年にかけて使用されたグリーン・キャピトルなので、このスリーヴが純正のものでしょう。 マトリクスは手書きで、A面が"ST-1-2576-B-16"、B面が"ST-2-2576-A-13"、 他に両面に"*"のような刻印があるのでL.A.プレスのようです。 【 国内Odeon盤 】
東芝音楽工業(株)Odeon OP-7600 \1,750 1966年10月5日日発売。 '68年8月1日にOP-8443、定価\2,000に変更されています。 OP-7000番台の最後のアルバムで、次作の「OLDIES」からOP-8000番台になります。 UKでの発売から遅れること2ヶ月での発売。相変わらず遅いです。 ジャケットの印刷が濃く、裏ジャケは真っ黒に潰れてひどい有り様です。 コーティングされていてツヤがあり、ペラ・ジャケだったこれまでの国内盤と異なり紙質はかなり厚く とてもしっかりとした作りですが、このため裏はフリップ・バックではありません。 '70年代の盤では紙質が薄いものやフリップ・バックのものもあります。
インナー・スリーブは当時の東芝の標準的な広告スリーブですが、前のオーナーが4隅とフタをカットして UK盤のスリーヴのようにしてしまったようです。余計なことすんなよー(苦笑)。 盤はお馴染みの赤盤です。
レーベルと歌詞カードの写真。歌詞カードに書かれた音楽評論家の故・福田一郎氏のライナーが秀逸です。 【 "Paperback Writer c/w Rain" UK Single 】
UK Parlophone R-5452 mono 1966年6月10日発売。 '76年に発売された再発シングルです。 マト枝番はA面「-4」、マザー/スタンパーは1/AO、 B面「-2」、マザー/スタンパーは10/GHH、"KT"の刻印あり。 「REVOLVER」のレコーディング・セッションで録音され、シングルとして発売された曲。 このレコーディングにはカッティングの際に低域のレベルを大きめにしても針飛びを起こさないようにするために 開発されたATOCという新たなリミッタ−が使用されています。 これにより、これ以降のビートルズのレコードではベースやバスドラの低域が前に出てハッキリとしたカッティングが 可能になりましたが、このシングルがその最初のもので、両面ともベースが前面に出てブンブン唸ります。 【 "Paperback Writer c/w Rain" Ltd. Picture Single 】
UK Parlophone RP-5452 mono 1986年6月9日発売。 発売20周年記念のピクチャー盤。いちばん右は台紙。この盤から付きましたが、以後のもの全部に付いていたわけでは ないようです。 全シングルのオリジナルの発売日と20周年記念盤の発売日(発売予定日)が書いてあります。 曜日の関係なのか、再発盤の発売日がオリジナル盤の発売日より1日ほどずれているものがあります。 【 "Yellow Submarine c/w Eleanor Rigby" UK Single 】
UK Parlophone R-5493 mono 1966年8月5日発売。 '76年の再発盤。マト枝番は両面"3"、マザー/スタンパーはA面が1/RG、B面が1/A。 イントロからベースが入り、中盤のおっかけコーラス(?)の入り方が異なるオリジナルmonoヴァ−ジョン。 アルバムと同日発売のシングル・カット曲ですが、シングルとアルバムとでポリシーを分けていたものの、 ビートルズのメンバーには未承諾でシングル・カットされ、それを知ったのは発売の二日前だったと言われています。 【 "Yellow Submarine c/w Eleanor Rigby" US Single 】
US Capitol 5715 mono 1966年8月8日発売。 【 "Yellow Submarine c/w Eleanor Rigby" Ltd. Picture Single 】
UK Parlophone RP-5493 mono 1986年8月4日発売。 発売20周年記念のピクチャー盤。台紙は付いていません。 【 US盤CD 】
1987年初CD化の際のアメリカ盤CD。アメリカ盤特有のト−ル・ボックス入り。 このCDはリマスターのみで、リミックスはされていません。



戻る    HOME