■ SURFIN' SAFARI ■  
  及び、その周辺のレコード



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 "BEACH BOYS"。
「スーパーマン」と並び、なんというシンプルな、悪く言えば安っぽく安易なネーミングなのでしょうか(笑)。
実はこのグループ名が付くに至ったエピソードがあります。
彼等のデビューはというと、「ペンドルトンズ」、「ケニ−&カデッツ」などと名乗っていた時代の1961年、
Xレーベルというインディ・レーベルから発売されたシングル「Surfin'」が実質的なデビューでした。
ところが、このシングルでデビューしたまではよかったものの、レーベルに印刷されていたグループ名が
「BEACH BOYS」となっていました。
これは本人たちに無断で「サーフィン・ブームに乗っかった、もっと売れそうなグループ名を」ということで
勝手に付けられた名前だったのです。
抗議も聞き入れられず、結局本人たちはこれを泣く泣く承諾、これ以後彼等はBEACH BOYSというグループ名で
歴史を歩むこととなります。

当時のメンバーはリーダーで長男のBRIAN(vo,b,key)、次男のDENNIS(dr)、3男のCARL(vo,read g, key)のWILSON 3兄弟と、
いとこのMIKE LOVE(vo)、親友のDAVID MARKS(g)の5人。
DAVID MARKSの前に、後にグループに復帰するAL JARDINEがいましたが、この当時歯科医を目指すためCapitolと
契約する前にグループを脱退していました。

デビューの翌年、WILSON 3兄弟の父親であり、当時マネージャーのMURRY WILSONの手腕で、大手メジャーのCapitolと契約。
Xレーベル時代に出した曲の再録音でのシングル「Surfin' Safari」のヒット後、このアルバムを発表しました。
1962年10月発売というから、海の向こうのイギリスでBEATLESが「Love Me Do」でデビューした頃に
BEACH BOYSはこのファースト・アルバムを発表したんですね。

このアルバムは当時の他のサーフィン・グループのようなインストに重点が置かれたものではなく、ほとんどがヴォーカルものだったのは
けっこう斬新だったのではないでしょうか。しかも全11曲中3曲のカヴァ−を除き、他は全てBRIANがGARY USHERやMIKE LOVEと
共同で書いたオリジナル曲。
この時代にBUDDY HOLLYなど個人では自作のロックン・ローラーはいたものの、バンドとしては自作自演のロック・グループなど
まだどこにも存在していませんでした。BEATLESより1年ほど早い、画期的なバンドだったのです。

プロデュースはCapitolレコードのNICK VENETという人。GEORGE MARTINのような有能なプロデューサー
というわけではなく、ただの現場監督だったようで(笑)、実質的にはすでにBRIANが仕切っていたと言われています。
BEACH BOYSはその名のとおりデビュー当時はあくまでサーフィン・サウンドを演奏するグループであり、
それ以上は何も求められていないし、彼等自身もまだまだ自分達の音楽性を確立していなかった時期でもあり、もちろん
のちにライバルになるBEATLESを始めとするブリティッシュ・インヴェージョンもまだ起こっていない時代なので
それらを意識した曲作りも行なっていません。
のちにトレード・マークとなるFOUR FRESHMENばりの美しいファルセット・コーラスも、ここではまだ聴かれません。
明らかにCHUCK BERRYの影響と思われるロックン・ロールと、'60年代アメリカン・ポップスとが入り交じった
イギリス勢とは異なるサウンドで、アメリカのグループだなあ、という印象があります。


BRIANの愛聴盤だったと言われるジャズ・コンボ FOUR FRESHMENの
代表作でもある「FOUR FRESHMEN AND 5 TRONBONES」。
聴けばなるほど、のコーラス・ワークと、演奏しながら歌い、ハモる、
というスタイルはそのパイオニアのひとつでもあった彼等からの影響。
BEACH BOYSのルーツがここにある。
(写真は'01年に出た紙ジャケCD。)
アルバムの作りは非常にシンプル。Xレーベルの音源をそのまま使用した「Surfin'」と、シングル曲「Surfin' Safari」の 2曲以外は半日でレコーディング完了というお手軽さだったようです。

【 US mono盤 】

レコード盤号 Capitol T-1808 mono盤 1962年10月1日発売。 私が20数年前に中古で買ったこのレコード、良く見て下さい。 ジャケットは'70年代の国内盤の再発ジャケなのですが、盤はUS Capitolのオリジナルmono盤なのです。 どうやら前の持ち主が中身がオリジナル盤とは知らずに、あるいはmono盤だったからか(昔はmono盤て嫌われていました)、 売り払う前に盤を入れ替えたようです。インナーもただの白いプレーン・インナーです。 現在の人気振りに比べ、この当時はBBのオリジナル盤はその人気のなさゆえあまり出回らず入手困難だったので、 私は「これでもいいや、一応オリジナルだし」ということで、敢えて購入したのでした。 このアルバムの日本での発売は3年遅れの1965年9月で、「BEACH BOYS TODAY」のあとにようやく発売になっています。 忘れられたアルバムだったんですね。当時のBEACH BOYSの扱いが日本ではどんなだったかが窺い知れる事実です(苦笑)。

レーベルはRainbow Capitol、マトリクスは手書きで、A面がT-1-1808-D4、5時の方向に"2"の数字の刻印、 B面はT-2-1808-F9と5時の方向に"J"のような文字の刻印と、一筆書きの星のようなマークの刻印あり。 マトリクス番号以外はナゾです。 ちなみに、このアルバムはモノラル・レコーディングで、stereoヴァ−ジョンはありません。 stereo盤は"DUOPHONIC"という疑似stereo盤です。

【 US盤CD 】

1990年にようやくアメリカで発売になったCD。 アメリカ盤は全て2枚のアルバムをカップリングした2 in 1になっていますが、このアルバムは次のアルバム 「SURFIN' USA」との2 in 1。ブックレットの表が「SURFIN' SAFARI」、裏が「SURFIN' USA」になっており、 資料性の高い充実したブックレットになっています。 かなり音質がよく、当時はその驚異的なリマスターの音に驚いたものです。 それに比べて、アナログ用のマスターを流用してアメリカより1年ほど先に独自に発売されていた当時の国内盤CDの音が ムチャクチャにヘナチョコだったため、余計にそう感じました。 今思えば、その後数々の名盤が高音質でリマスター再発される動きの先がけだったように思います。 長らく廃盤でしたが、2000年に再リマスター&HDCD仕様で再発されています。国内盤は2 in 1ではなく、単体発売 されていますが、両方とも再発盤は持っていません。



左の写真はCDが入っていたアメリカ盤特有のトール・ボックス。
レーベルはウズマキ・キャピトルですが、2000年再発盤は恐らくレインボー・キャピトルだろうと思われます(未確認)。
今はウズマキ・キャピトルはあまり使われなくなっていますから。
この2 in 1CDには当時ファン誰もが狂喜した驚きのボーナス・トラックがそれぞれに収録されていましたが、 このCDにも当時全くの未発表だった曲3曲が入っています。
アナログを持っている人もこのボー・トラのために買う価値あり!




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